町角のバリアフリーの意識

1) 某大型小売店の車椅子マークが付いたトイレ

 今回は大変残念な報告をしなければなりません。先日、割と大きな某ショッピング・ストアを訪れた時のことです。店内に紳士・婦人トイレのマークと一緒に車椅子マークがあったので、さすがに大きなショッピングセンターには車椅子用トイレが完備されているのだなと、安心して購入目的の物を探しながら買物を楽しんでおりました。店内は広く幅広い生活雑貨・衣料品や日曜大工用品など様々な種類のものが陳列されていて、購入目的の物以外にも欲しくなりそうになりついつい時間を忘れてショッピングを楽しんでおりました。

 ショッピングの途中にトイレに行ってみましたら、写真左のように紳士トイレのなかに車椅子マークが付いた部屋がありました。ドアを開けてみて写真右のトイレを見たときには一瞬唖然としてしまいました。

 ドアの幅が狭く車椅子は通れないし、通れたとしても中に車椅子を置くスペースはありません。この洋式トイレを利用できる方は、歩行可能な方であろうと想像しています。ですから、わざわざ車椅子マークを店内及びトイレのなかに表示をするほどのことではないと思いました。むしろ間際らしい表示に困惑し落胆してしまいました。

 「車椅子マーク」について、国内については車椅子のままで利用可能な設備が多いのですが、どうも別の意識を持っている方がおられるようです。

 このように、不特定多数の人達が利用する場所においても、このように矛盾したことがあるように、一般の住宅を新築あるいは改修する際にも、このような矛盾が起きうるのではないかと危惧しております。  

 建ててしまった後で、あそこをこうすれば良かったとか失敗してしまったという前に、自分達(家族)の意図することを反映してくれるような設計士さんや施工業者さんを選んでいただきたいと思っております。

 現在は「福祉住環境コーディネーター」という検定試験に合格した方がおられ、高齢者・障がい者にとって個別に過ごし易い住環境をアドバイスしてくれるはずですので、「福祉住環境コーディネーター」がいる設計事務所・施工業者さんに相談した方が話しが分かり易いかもしれません。
 
 どうか、後悔をしない新築・住宅改修などをなさってください。

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