町角のバリアフリーの意識

21) 障害者の呼び名について、「障験者」に

 「障害者」という呼び名について、「障害者」という呼び名は日常用語として広く使われており、「障」は「じゃまになる」という意味合いがあり、「害」は「わざわい」とか「妨げ」というニュアンスが含まれている。

 東京身体障害者団体連合会国際部長の坂本英樹氏は、「障害者」という呼び名は一般社会に定着しているがマイナスイメージがあるので、「障害者」の呼び名を「障験者(障害経験者)」に改めるように提言している。

 障害者という極めて不名誉なラベルによって、ひどく傷つけられ、悩み苦しんできた人は決して私一人だけではあるまい。害のある者ではなく、社会の一員でありたいという気持ちを込めて提言する。(平成18年4月30日(日)の毎日新聞)より抜粋   

 

 「障害者」を「障碍者」と文字を替えても言葉に出す時は「しょうがいしゃ」となり同じである。このサイトでも一般社会に定着していると思われる「障害者」という文字を使用している。それは話の内容が理解し易いと思われるので使っているにすぎない。

 私も「障害者」に替わる言葉はないかと探していたところに、上記の記事に遭遇した。「障害者」という呼び名は一般社会に定着していて、身体の麻痺又は能力低下があるなしなどにかかわらず、また、どちらの立場であったとしても、「健常者」・「障害者」という呼び名を使用していることが多々ある。

 悪気ではなく他に表現の仕方がないからという理由の時も多いと思います。

 先日、約30年ぶりに同級生数人と会う機会がありました。私が車いす利用者になっていることを少なからず驚いているとは思うのですが、その原因については触れず私を気遣ってくれるのです。

 私が何かを説明するときに、「健常者」・「障害者」という呼び名を出してしまったところ、ある同級生に「健常者とか障害者とかそういう区別をする言い方は嫌いだ。」と言われてしまいました。

 集まった数人のなかで、車いす利用者(障験者)は私一人だけでした。説明するときに分り易いように「障害者」という言葉を使ったまでだと言ったのですが、彼は「それでも、そういう言い方をするのは嫌いだ。許さない。」と言い張るので、いったい何の説明をしていたのか、もうその説明なんぞどうでもいいように思えてきた。

 それよりも、何十年かぶりに会った同級生のバリアフリーの意識に感謝感激したしだいです。

 私は坂本英樹氏の提言している「障験者(障害経験者)」という呼び名に賛成するものであります。呼び名はどうであれ、社会一般の理解が必要ですし、本質的には各々の心のなかの意識の問題であり、その考え方や気遣いの仕方がよくなることが大事であります。

 大人・子供・高齢者・障験者など、年齢や身体の麻痺・能力低下に関わらずどのような立場であっても、社会の一員としてより良い人間関係をつくりあげて皆幸せになりたいと願っていると思っています。

 呼び名を替えることで、少しでも皆のバリアフリーの意識が向上してくれる一因になればと思っております。

 なお、現在このサイトで「障害者」という文字を使用しているヶ所につきましては、少しづつ修正して行きたいと思っております。

 平成18年 6月上旬 現在

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