町角のバリアフリーの意識

27) 興陽高校のバリアフリー庭園  Part Y

「干拓地の生き物を知る」 

平成21年 2月 28日 撮影 

A、魚を見守る生徒さん達 B、竹製の網(サギからの保護) C、山野草園の門

造園デザイン科 3年 18名(平成20年度)

 概要と感想

 私は平成15年度「四季を彩る庭」から、平成16年度の「流れのある庭」、平成17年度「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」、平成18年度「和楽(からく)の庭」、そして昨年度は「見本庭園のバリアフリー化」の授業に参加して来ました。

 澁谷先生は私より以前からここのバリアフリー庭園を見守って来られたので、平成13年度「山野草園」と平成14年度「実のなる庭の実のなる木」が水路に架かった石橋で、もう一つ「四季を彩る庭」と「流れのある庭」も石橋でつながり、そして「四季を彩る庭」と「バリアフリー展望台「友集の丘」」とはインターロッキング舗装によって繋がり、一つの庭として高齢者や車いす利用者や子供さん達などが容易に散策できるようになったことをひとしお喜ばれていました。

 私も車いすでひとまわりして、以前のスロープよりも勾配がゆるやかで境目もうまく仕上げられて、車いすの操作が大変やり易くなっていると感じております。 

 毎年一区画のなかに、違うテーマで素晴らしい庭園が出来上がっておりました。ですから、このサイトではここ数年一区画の庭についての感想を述べて来ました。

 今年度は絶滅危惧種に指定されているメダカを保護するということで、外の水路に通じていない単独の「水路」(水路のように見えますが、正確には細長い池ということです)をつくり石橋を二つ架け、「バリアフリー展望台「友集の丘」へのインターロッキング舗装も整備されました。
 また、道をインターロッキング舗装することによって両側に分断されていたような感があった庭たち(「和楽の庭」、「見本庭園」)への行き来きがし易くなり、まさに一つの庭園となったように思っております。 

 左上写真Aは、竹垣越しに水路(細長い池)の魚の様子を見守っている生徒さん達です。中央上写真Bは、サギなどの鳥から魚を保護するために竹製の網(竹の六ツ目編みにて)を被せたところです。(施工の過程については、ページの一番下からみてください。)

 昨年度までを振り返ってみますと、バリアフリーやユニバーサルデザインにすることを前提に個々の庭園の素晴らしさを感じております。
 
 平成13年度「山野草園」では「門」や「灯篭」や「水琴窟」、平成14年度「実のなる庭の実のなる木」では「四つ目垣」、「四季を彩る庭」では「木製の架け橋」や「石積み」と「花時計」、「流れのある庭」では「浅瀬の小川に石橋」や「木製のキャスター止め」、「バリアフリー展望台「友集の丘」では「らせん状の石垣」、「和楽の庭」では「石畳」や「盆栽」、「見本庭園のバリアフリー化」では「露地門」や「建仁寺垣」や「腰高麗袖垣」そして「山目地の工法による石畳のバリアフリー化」など、ここのバリアフリー庭園は和風の味わいが沢山含まれており、いつも和風の味わいとバリアフリーやユニバーサルデザインとの調和を考慮しながら庭園づくりに取り組んでいたように感じております。

 上写真A・B・Cでも分かると思いますが、石や竹や木などの自然素材の使い方が大変素晴らしく、庭園全体に温かみや和みを感じさせてくれるようです。

 右上写真Cは、新しくなった山野草園の門ですが、今年度個々の庭園が一つの庭園となったことにより、今まで気が付かなかったことが見えてきたような気がするのです。 

 一般的に町中にある公園の入口に右上写真Cのような「門」なんてほとんど見かけません。なぜに門を設置したのでしょうか。茶室の周辺に茶庭(茶の世界では露地と呼んでいます)というものがあります。一般的な庭は眺めるためのものですが、露地の場合は心を穏やかに清めるための空間とされているようです。

 門は、日常空間から茶室という清浄なる空間に入るための仕切りのような存在であると思っております。ここには特に茶室というものはありませんが、昨年度「見本庭園」のなかで立礼にて茶会を催しました。 

 ここの庭園を精神的な意味で露地ととらえると、右上写真Cの門もなるほどと納得が行くのです。

 露地を茶室に通じる路というとらえかたもするようで、雑念を払いこころを清めるために長いほうが良いとも言われております。

 右上写真Cの門をくぐって、「山野草園」〜「流れのある庭」〜「バリアフリー展望台「友集の丘」〜「四季を彩る庭」〜「実のなる庭の実のなる木」、そして道を横切り「和楽(からく)の庭」〜「見本庭園」という順路などはいかがでしょうか。勿論これは一つのプランでありますし、露地ととらえたいというのは私個人の思いであります。

 高齢者・障がい者・子供さん・健常者など多くの皆さんに、この空間をつくりあげた生徒さん達の純粋な気持ちを、心で触れてみていただきたいと思っております。

 どうぞ、お時間がありましたらゆっくりと歩みを進めて、このバリアフリー庭園で気持ちをリフレッシュしていただきたいと思っております。

 個々の庭園が一つの庭園になったことにより、あらためて興陽高校の先生方の奥深い考えと指導力や技術力の高さに感服しております。

 これまでのバリアフリー庭園や見本庭園のバリアフリー化の授業の内容が認められ、平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰で「内閣府特命担当大臣表彰優良賞」を受賞されました。高校として表彰されたのは初めてということです。下記の受賞者一覧を見ましても、大変素晴らしい賞を頂いたものだと感じるしだいです。本当におめでとうございました。

岡山県立興陽高等学校
  住 所 : 岡山県岡山市藤田1500
  電 話 : 086-296-2268(代表)
  URL  : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/

 「造園デザイン科 3年生 庭園施工管理類型 18名
 (造園デザイン科 科長 大山桂吾先生、藤本泰史先生、片山大助先生、田中賢造先生、太田貴久先生

 内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰) 受賞者一覧

山陽学園短期大学
  住 所 : 岡山市平井1−14−1
  電 話 : 086-272-6254(代表)
  FAX  : 086-273-3226
  URL  : http://www.sguc.ac.jp/

 「キャリアデザイン学科」(澁谷俊彦教授 倉敷市伝統的建造物群等保存審議会委員)

 

平成21年 2月 28日 撮影 

D、インターロッキング舗装 E、和楽の庭入口 F、見本庭園入口 G、実のなる庭の・・・入口

 概要と感想

 本日は卒業式の前日で、生徒さん達は予行で学校へ登校していました。中央下写真Rのように施工途中であった道も、左上写真Dのように素敵なインターロッキング舗装となっておりました。

 1月29日が最後の授業でしたので、後の作業を後輩の生徒さん達に任せることになったようです。卒業する山本将史君だけは、よほど思いが強かったのかこのインターロッキング舗装の作業に出て来ていたということです。そういう一途な生徒さんがおられるというのは大変嬉しく感心したりしております。

 中央上写真Eは「和楽の庭」入口、中央上写真Fは「見本庭園」入口、右上写真Gは「実のなる庭の実のなる木」への入口など、高さ調整してうまく仕上げておられました。勾配がゆるやかになり車いすで行き来がし易くなっておりました。

 左下写真Hで分かるように、生徒さんが水路(細長い池)の傍らで魚の入ったバケツを受け取り、水路にメダカ・ワタカ・カワバタモロコ・ヌマエビなどを放流しているところです。

 中央下写真Iはポンプであります。中央下写真Jでは、浄化器に竹のパイプが取り付けられていました。右下写真Kは山野草園の門を新しくしているところで、クレーンで屋根を吊り油抜きした竹で組んだ柱に取り付けているところです。

H、魚の放流 I、ポンプ J、浄化器と竹のパイプ K、屋根の取りつけ

 

平成21年 1月 29日 撮影

L、山野草園の入口 M、実のなる庭・・・から N、四季を彩る庭から O、展望台へ

  設計責任代表者(横山 和貴)

1、バリアフリーについて
 実際に車いすに乗ってみると、日常では気付かない凹凸が大変だったり、風景がちがって見えたりと、バリアフリーの大切さを感じることができた。

 普通に歩いていた道が車いすや障害を持った人にとっては不便な道なんだと思った。誰もが安全に使用できるだけでなく、使う人の能力などもしっかりと考慮して作らないといけないと教わった。

 物理的なバリアフリーだけでなく、人の心の中にあるバリアもとりはらうことが大切だと思った。

2、ユニバーサルデザインについて
 見てすぐに使い方が分かったり、安全に使えたりということだけでなく、性別・年齢・障害の有無に関係なくすべての人が使いやすいようにすることがユニバーサルデザインである。

 安全性とデザインを両立させるのはとても困難であるということが分かりました。

3、インターロッキング舗装ではなく水路にした理由
 インターロッキングブロックは毎年バリアフリー庭園をつくるのに使っているが、庭園内に大きな池や川を取り入れると庭の印象や楽しみが違ってくるなと思い水路をつくることにした。そして、絶滅が心配される生物の保護や庭の中になごむ場所をつくるため。

4、絶滅危惧種の保護について
 藤田の水路の魚などを調査し、藤田干拓地ならではの生き物たちを外来種などから守れないかと計画しました。そして、藤田に生息している魚を観察したり、絶滅危惧種に指定されたメダカを保護したかった。

 外の水路とは直接関係なく、水草を植えるために一部水深の浅い所を作った。水は通路側から友集の丘のもとへポンプを使って循環させるようにした。

 メダカの他にカワバタモロコ(絶滅危惧種)、チョウセンブナ(移入種だが、日本のごく一部だけで生息している)、ワタカ(日本原産の草食魚)、チチブ(ハゼのなかま)、ツチフキ、ヌマエビ、テナガエビ、タナゴなどを生息させたいと思っている。

5、安全性と眺望について
 はじめ80cmの手すりを考えて杭を打っていたが、「手すりとしてでなく、転落防止の柵として考えた方がよい」というアドバイスをお聞きしたので地上110cm〜130cmの竹をランダムに用いた竹垣をつくることにした。

 高さを110cmにそろえなかったのは、安全を優先しながらも眺望にも考慮した竹垣(四ツ目垣の変形)にしたからである。

6、移動についての配慮
 インターロッキングブロックを段差ができないように配置した。車いすのキャスター(前輪)止めの設置について、青石などで縁石を設置した。石橋はビシャンや石ノミでできる限り凹凸をなくすように努力した。石橋から園路へは勾配を1:15以下になるようにした。 

7、危険を察知する能力について
 夜間、自転車に乗っている時にはライトをつける。自転車の二人乗りをしない。傘さし運転や音楽を聴きながら自転車に乗らない。信号を守る。夜一人歩きはしない。

 細い道から飛び出して来るかもしれないので止まったりする。火をつけたらその側を離れない。

 信号が青でも左右を確認する。刃物をあつかう時には、周りを確認する(怪我をさせないように)。

8、環境を守るための活動について
 川や道端にゴミを捨てない。飼育している魚や生物をむやみに川や水路などに放さない。

 魚釣りに行って、釣り糸やその他のゴミをそのままの場所に捨てない。
 これから、沢山の生物の保護に取り組みたいと思っている。 

 概要と感想

 上記はどのような思いでプランを立てたのか、いくつかの項目を設けて生徒さん達に聞いてみました。生徒さん達の意見の一部分を掲載したものです。

1、上記のバリアフリーについては、一番下にある左下写真TTのインターロッキング舗装前の道を、生徒さん達に実際に車いすに乗って体験してもらった時の感想だと思います。

 バリアフリーには、物理面・情報面・社会面(制度面を含む)・精神面などがあると思うのですが、「人の心の中にあるバリアもとりはらうことが大切だと思った。」という一番気が付いてほしかったことを分かってくれて大変嬉しく思っています。 

2、最初からバリアのない世界を目指しているユニバーサルデザインは、あくまで製品や環境デザインをつくる時の姿勢としての考え方であると思っております。

 あくまでも姿勢でありますから、ある一つのデザインがすべての年代や様々な身体能力の人々に適合しているというものではないという一面もあるようです。

 UDの製品であると表示して市販されているもののなかに、自分には使用し難いと感じる人がおられるのもその一面のためだと思っております。

 水路に柵(四つ目垣の変形)をつくって車いすの人たちや、小さな子供さん達にも安全なように庭をつくったということですが、水路の深さを考えると転落事故の防止を一番として、和風の味わいや眺望とを見事に四つ目垣の変形というかたちで調和させていると大変感心しています。

4、「干拓地の生き物を知る」というテーマで、絶滅危惧種のメダカを保護するということで水路をつくったとのこと。現在、外の水路と通じているところには、メダカによく似たカダヤシという外来種がいるようです。カダヤシはメダカよりも生命力が強いため、メダカは減少するいっぽうなので外の水路と通じていない場所が必要となるわけです。

 他にも在来種の魚を生息させたいとのことです。

5、水路の周りに何もないほうがすっきりとしていて眺望も良いことは分かりきっているわけですが、やはり優先的に安全性を重視し和風の味わいとの調和を考えた結果、左下写真Pのような四つ目垣の変形となったようです。竹そのもの自体心が和みますので水路と馴染むようです。

6、本日訪問した時は、左上写真Lのように「山野草園」の入口、中央上写真Mは、実のなる庭の実のなる木から山野草園への石橋、中央上写真Nは、四季を彩る庭から流れのある庭への石橋、右上写真Oは、四季を彩る庭から展望台へのスロープでありますが、既存のインターロッキングブロックを整備して石橋とをうまく高さ調整して仕上げておりました。

 中央下写真Rのようにコンクリート舗装の道は施工中でブロックが積み上げてありました。ですから右下写真Sのスロープ下の境目もこれから施工していかなければなりません。

7、今年度の生徒さん達に川で遊んだ経験がありますかと問うと、なんと一人もいないということでした。

 私が子供の頃は山や川で遊ぶというのが日常的で、そこで危険を察知する能力についての学習をしていたような気がします。特に10歳未満の頃に外で遊んでいない人は、危険を察知する能力について低下しているのではないかと想像し、日常生活で気をつけていることを聞いてみました。どれも当たり前のことのようですが、現実にはマナー違反をよく見かけます。
 ここの生徒さん達のようであるならば、トラブルや交通事故が少ないと思うのですがね。

8、ブラックバスも生物なので殺したりしたくはない。とアンケートに書いてくれた生徒さんがいました。

 誰しも生き物を殺したいとは思っていないと思います。しかしながら、人は日常的に牛・豚・鶏や魚などを食べて生活しています。小さなお肉とか刺身となって食卓に出てくるので気付いていないだけかもしれませんが、我々が生きていくために多くの生き物の生命を絶っているわけです。人は、日常的に健康とか体力作りを優先しながら過ごしております。

 日本の自然を守りたいとか絶滅危惧種を守りたいと思った時にどのようにすべきか。ブラックバスは獰猛なので在来種の魚を食べてしまいます。琵琶湖などでは昔の自然を取り戻したいということでバス狩をしています。それぞれに何が大切か優先順位を考えながら生活して行かなければならないと思っております。 

P、水路 Q、橋ばさみの石 R、施工中の道 S、施工中のスロープ

 

平成21年 1月 29日 撮影 

T、施工中の道 U、石の樋 V、簡易の浄化器 W、配水管

 施工責任代表者(藤井 覚)

1、水路について
 左下イラストXは水路の断面図で、作り方の順番としては@杭打ちA底打ち(底のコンクリート打ち)B壁(立ち上がりのコンクリート打ち)C石積みD水の循環にについての工夫(水の管・電気の管を一つの管に入れたパイプを石積みと壁の間に通している。E水路の底に土や砂を入れた。@で堀った土は、学校の東側に積んで風化させている。A底の鉄筋は20cm間隔で格子状に組んでいった。B壁の鉄筋の高さは130cm。立ち上がりと底の境をモルタルで止めた。

※中央下写真IIで、澁谷先生が、もしも転落した時に安全性のために石積みで尖ったヶ所を丸くしてはどうかというアドバイスをされましたが、やっておきましたとのこと。 

2、簡易の浄化器について
※外の水路とつながっていないので、水を循環させるためにどのような工夫をされたかの問いに、右下Yのイラストで分かるように簡易の浄化器を描いてくれコメントをつけてくれました。

3、石橋について
 水路南側:長さ200cmの御影石をカッターで170cmに切って使用。(縦20cm×横20cm×長さ170cm)を6本使用。
 水路北側:長さ160cmの御影石をカットせずそのまま使用。(縦16cm×横30cm×長さ160cm)を4本使用。

 並べた石と石の間に割れた石やれきを入れ、橋の下に板をあて、上からモルタルを流し込んだ。石橋の表面はビシャンや石ノミでできるだけ凸凹をなくすようにした。

4、石橋と水路周辺の柵について
 立子の高さは110cm以上、立子と立子の幅は11cm以下に施工した。同じ高さだと面白みがないので、立子の高さをランダムにかえてみた。中央下写真BBのように、立子と胴縁は竹のくしをさしこむことで、横ずれしないように工夫した。

5、インターロッキング舗装について
 橋をつくる前と後では、インターロッキングブロックの勾配がかわるので、その勾配がゆるやかになるように、また橋との接点が段差ができないようにするのが難しかった。

※和楽の庭と見本庭園の前の道をインターロッキング舗装にする予定ですが、本日1月29日に訪れた時には、中央上写真Rのように施工途中でありました。思っていたより通路が凸凹で砂をならすのが大変なようですが、勾配は通路北側を下げた勾配にする予定にしている。(排水溝がある方に水を逃がすように)

 また、「和楽の庭」の前あたりを最高点ににして、東西に勾配をつける予定にしているとのこと。

 概要と感想

 上記は施工に関して難しかった点や工夫した点を、いくつかの項目を設けて生徒さん達に聞いてみました。生徒さん達の意見の一部分を掲載したものです。

 土の掘削・杭打ち・底打ちなど同じ作業の連続で水路としての形が見えてこなかった頃には若干気乗りがしなかった人もいたようですが、絶滅危惧種のメダカを保護したいという気持ちを強く持っていたり、先輩方のバリアフリー庭園つくりを引き継ぎ新しい形で自分達の庭をつくろうと思ったり、大きな水路つくりにチャレンジしたいなど、庭全体を考えた思いや意気込みを大変強く感じました。

  左上写真Tは、展望台から四季を彩る庭への通路と石の樋と簡易の浄化器です。中央上写真Uは、石の樋です。風情がありますね。中央上写真Vは、竹を巻いた簡易の浄化器です。右上写真Wは、展望台から四季を彩る庭への通路の下に埋設してある配水管です。

 今年度は水路のような大掛かりなものから、四つ目垣の変形で竹のくし(中央下写真BB)のように細かい作業、そして先輩方の施工した園路と高さ調整して新しい園路としてつなぐなど気を遣う作業で大変だったと思います。

 男子生徒と女子生徒の作業内容について、石などの重量物の移動や石積みは男子が中心で行い、道具や運搬車・バックホーなどを使った作業で力の部分をカバーするように女子生徒に配慮したということです。

 一人一人が様々な技術がつき、その技術を発揮できる作業が増えたという感想もありました。

X、水路の断面図 Y、簡易の浄化器

平成21年 1月 13日 撮影 

Z、実のなる庭の・・・のスロープ AA、作成途中の竹垣 BB、竹のくし CC、浄化器の設置

 概要と感想

 左上写真Zでは分かりづらいかもしれませんが、「実のなる庭の実のなる木」から石橋に向かって少しスロープ状になっています。既存のインターロッキングブロックを取り外し、勾配を石橋に合わせてうまく仕上げられていました。中央下写真FFの部分を整備すると、左上写真Zのように素敵な園路となるわけです。

 中央上写真AAは、水路と作成途中の竹垣であります。中央上写真BBは、組んだ竹がずれないようにくさび状の竹を差し込んでいるところです。後で竹のくしをカットして紐で結んでおります。細かい作業に時間を要したようです。右上写真CCは、庭園内で水を循環させるために展望台の脇に簡易の浄化器を設置しておりました。

 

平成20年 11月 28日 撮影 

DD、水路 EE、展望台側の石橋 FF、実のなる庭・・・のスロープ GG、運搬車とコンプレッサー

 概要と感想

 左上写真DDのように水路のなかの石積みがほぼ出来上がっておりました。中央上写真EEは、展望台側の石橋であります。

 四隅に橋ばさみの大きな石が置いてありました。橋ばさみの石は、日本庭園ではひとつの役石(やくいし)として使われているようです。

 中央上写真FFは、「実のなる庭の実のなる木」からスロープ状になっていたところを、「山野草園」側に石橋を架けるため、高さ調整のためまずはスロープのインターロッキングブロックを取り除いたところであります。

 右上写真GGは、運搬車とコンプレッサーですが、インターロッキングブロックを敷き詰めるために、生徒さんがコンプレッサーを利用して掘削機でレベルを求めるための棒を立てる穴をあけているところです。

 左下写真HHは、左から大山先生、片山先生、澁谷先生であります。水路・石橋周辺の安全性や河川文化についての三者会談だと思います。

 中央下写真IIは、澁谷先生が水路のなかに降りて、もしも転落した時に安全性のために石積みで尖ったヶ所を丸くしてはどうかというアドバイスしているところです。

 中央下写真JJは、田中先生が埋設のパイプについて生徒さんにアドバイスしているところです。右下写真KKは、太田先生がジェスチャーを交えて生徒さん達に作業のやり方をアドバイスしているところです。

HH、三者会談 II、澁谷先生 JJ、田中先生と生徒さん KK、太田先生と生徒さん

 

平成20年 6月 12日 撮影

LL、底打ち MM、コンクリートの養生 NN、擁壁と石積み OO、埋設のパイプ

 概要と感想

 左下写真PPは、これから水路にして行こうとしている通路と運搬車のフロントであります。中央下写真QQは生徒さんの操縦で水路の土を掘削しているところです。中央下写真RRはバックホーで掘削した土を運搬車にうつしているところです。右下写真SSは、片山先生がコンクリートミキサーの調子をみているところです。

 左上写真LLは水路の底をコンクリートにしているところです。中央上写真MMは擁壁と底打ちを順次していっているところです。中央上写真NNは擁壁に石積みを行っているところです。右上写真OOは、園路の地下に埋設したパイプの具合を確認しているところです。

 この時期は、身体を動かしている割には同じ作業の連続で、なかなか水路としての形が見えてこないので精神的に嫌気がさして来るようですが、この時期を乗り越えなければ水路としての形は見えて来ません。こういう時期を体験した生徒さん達は、社会に出てもきっと我慢強く仕事に励んでくれると思っております。

PP、通路と運搬車 QQ、バックホー RR、運搬車とバックホー SS、片山先生とミキサー

 

平成18年 2月 18日 撮影 

TT、見本庭園の前の道 UU、通路 VV、実のなる庭・・・のスロープ WW、展望台から

 概要と感想

  平成20年度は、左上写真TTの「見本庭園」の前の道をコンクリート舗装からインターロッキング舗装にする計画であります。中央上写真UUは「山野草園」・「流れのある庭」側と「実のなる庭の実のなる木」・「四季を彩る庭」側との間の通路であります。中央上写真UUのように土の通路でした。「バリアフリー展望台「友集の丘」の作庭を終えたあたりから、この通路も整備したいと先生方から聞いておりました。

 インターロッキングブロック舗装で各庭園をつなぐのだろうかと想像していたのですが、今年度ここに水路を作る予定であると聞いて驚いてしまいました。インターロッキングブロック舗装という慣れた方法を選択しないで、あえて施工が難しく安全性にも気を遣わなくてはならない水路を選択するとは、少し不安を抱えながらどのように変貌していくのか楽しみになって来ます。

 水路を作るということは橋が必要になってくると思いますが、中央上写真VVは「山野草園」(写真奥側)と「実のなる庭の実のなる木」(写真手前側)のスロープが見えておりますが、ここに橋を架ける予定にしているようです。

 右上写真WWは、「バリアフリー展望台「友集の丘」から今年度「水路」にする予定の通路周辺を展望台から撮影したものです。

 ほんとにいつも驚かされるような計画を聞かしてくれるのですが、こちらも半信半疑ながら胸が躍る思いであります(^_^)

完成 平成21年 2月 下旬現在

 

平成15年度「四季を彩る庭」  / 平成16年度「流れのある庭」 / 平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」

平成18年度「和楽(からく)の庭」 / 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化」 / 平成20年度「干拓地の生き物を知る

平成21年度「万葉の小径(まんようのこみち)」 / 平成22年度「まくあいのこかげ」 / 平成23年度「50周年記念庭園のバリアフリー化

平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」 / 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」 / 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」 

平成27年度「鳥達の集う滝」「クジラの庭のスロープ」

日本における住環境の現状 / 福祉住環境コーディネーター / 住環境の整備について

介護保険制度と住生活との関係 / 町角のバリアフリーの意識 / 住環境についての質問コーナー