町角のバリアフリーの意識

28) 興陽高校のバリアフリー庭園  Part Z

「万葉の小径」 

平成 22年 3月 5日 撮影 

A、万葉の小径(体育館側から撮影) B、植え枡と看板(シクラメンの花) C、万葉の小径(スロープ側から撮影)

造園デザイン科 3年 17名(平成21年度)

 概要と感想

  平成13年度「山野草園」では「露地門」や「灯篭」や「水琴窟」、平成14年度「実のなる庭の実のなる木」では「四つ目垣」と「スロープ」、「四季を彩る庭」では「木製の架け橋」や「石積み」と「花時計」、「流れのある庭」では「浅瀬の細長い池石橋」や「乱杭(木)のキャスター止め」、「バリアフリー展望台「友集の丘」では「らせん状の石垣」と「スロープ」、「和楽の庭」では「石畳」や「盆栽」、「見本庭園のバリアフリー化」では「露地門」や「建仁寺垣」や「腰高麗袖垣」そして「山目地の工法による石畳のバリアフリー化」、「干拓地の生き物を知る」では絶滅危惧種に指定されている魚や植物の保護のために細長い池をつくり、各庭を石橋インターロッキングブロック舗装で結び一つの庭として高齢者や車いす利用者や子供さん達などが容易に散策できるようにしました。
 私はたまに京都の観光地(神社や寺)や街を散策することがありますが、古い建物とバリアフリーとの融合の難しさを感じます。ここの「バリアフリー庭園」では当初から和風テイストのうえにバリアフリーUD(ユニバーサルデザイン)をうまく融合させてきたように思います。京都の観光地(神社や寺)や街とは趣が違いますが、和風テイストとともにここ独自の庭づくりに挑戦して来てほんとに素晴らしい庭(空間)が出来上がっていると感じております。

 ここで今一度バリアフリーとUDについて記述しますと、バリアフリーとは、新しくつくる建物や既にあるものに対してのバリアをなくするという物理面だけでなく、情報面制度面人の心といった精神面などの様々な障壁を取り除いて高齢者障がい者(手足の障がい・視覚障がい・知的障がい・精神的障がい)・乳幼児連れ外国人などが社会に参加できるようにすることであると思っています。
 UDは新規につくるものについての製品人をとりまく環境づくりについて7つの原則があり、最初からバリアのない世界を目指していますが、それは主に物理面についての原則であると思っています。
 現状ではバリアフリーとUDのどちらの考えが優れているかを問題にするのではなく、「よりよい社会」そして「過ごしやすい町づくり」にしていくためには両方の考えが必要であると考えております。

 区画ごとにテーマは違いますが、興陽高校ではすべてバリアフリー庭園と呼んでおります。では、なぜバリアフリー庭園と呼んでいるのでしょうか。それは、物理面でUDを目指した作庭というだけでなく、バリアフリーをより広くとらえて伝統や文化そして自然保護なども考えてきたからだと思います。

 さて、今年度は、時という壁(バリア)を超えて万葉人(まんようびと)の心に触れられるような「万葉の小径(まんようのこみち)」をつくることがテーマであります。

 左上写真Aは、体育館側から撮影した「万葉の小径(まんようのこみち)」でありますが、UDの遊歩道とともに万葉集のなかで詠まれている花を高齢者や障がい者や子どもさんなどに楽しんでもらえるように工夫(植え枡や看板など)し大変素晴らしい「万葉の小径」ができあがっていると感じております。

 今年(2009年)は、万葉集の最終歌が詠まれてから1250年になるということで、それを記念して全国各地でシンポジウムが開催されたりしたようです。そういう年に、2009年度の生徒さん達が「万葉の小径(まんようのこみち)」をつくることになったのも、何かのではないでしょうか。生徒さん達にも先生方や私にとっても記憶に留めやすいような記念の年になったと思います。

 中央上写真Bは、「植え枡」に植えた色鮮やかなシクラメンの花看板であります。冬期に植栽できる花が少ないということもあり、万葉集のなかに出てこないシクラメンの花も植栽しているようです。「万葉の小径」では万葉集のなかに出てこない木や花も植栽しています。
 造園デザイン科の生徒さん達は、国語の時間に万葉集の短歌を学ぶとともに、オリジナルの短歌をつくり万葉の小径」で紹介しております。

 当初、花と万葉集に出てくる短歌を紹介するだけかと思っていましたので、生徒さん達の短歌も看板で紹介するということを聞いて驚いてしまいました。花と現在の自分達の心とをリンクさせて生徒さん達独自のオリジナルな「万葉の小径」を目指していたんだなと生徒さん達の意識の高さに大変感心しております。

 右上写真Cは、「和楽(からく)の庭」からのスロープ側から「万葉の小径」を撮影したものです。太い孟宗竹を車いすのキャスター(前輪)止めにして、シンボルツリーの泰山木(タイサンボク)が遊歩道の真ん中に位置しているのが分かると思います。スロープから体育館前辺りまで約55mの遊歩道であります。

 バリアフリー庭園の一画として、大変素晴らしいオリジナルな「万葉の小径」ができあがったと思っています。花が咲くのはこれからということですが、数ヶ月後は色鮮やかな花に囲まれた「万葉の小径」になっていると想像しています\(^o^)/ 

 高齢者・障がい者・子供さん・健常者など多くの皆さんに、この「万葉の小径」をつくりあげた生徒さん達の純粋な気持ちを、心で触れてみていただきたいと思っております。
 どうぞ、お時間がありましたらゆっくりと歩みを進めて、このバリアフリー庭園で気持ちをリフレッシュしていただきたいと思っております。

 実習授業として、これほど素晴らしい万葉の小径」をつくりあげてしまう生徒さん達を教える興陽高校の先生方の奥深い考え指導力技術力の高さにあらためて感服しております。

 ※施工の過程については、ページの一番下からみてください。 

岡山県立興陽高等学校
  住 所 : 岡山県岡山市南区藤田1500
  電 話 : 086-296-2268(代表)
  URL  : http://www.koyohigh.okayama-c.ed.jp/

 「造園デザイン科 第3学年 庭園施工管理類型 17名

 (造園デザイン科 科長 尾畑篤司先生、穐田 守先生、藤本泰史先生、田中賢造先生、太田貴久先生

 内閣府特命担当大臣表彰優良賞受賞(平成19年度バリアフリー化推進功労者表彰) 受賞者一覧

山陽学園大学
  住 所 : 岡山市中区平井一丁目−14−1
  電 話 : 086-272-6254(代表)
  FAX  : 086-273-3226
  URL  : http://www.sguc.ac.jp/

  総合人間学部 生活心理学科
 
  澁谷俊彦教授 (倉敷市伝統的建造物群等保存審議会会長、岡山県環境審議会委員)

 

平成22年 3月 5日 撮影 

D、スロープと柵 E、スロープと竹の車止め F、縁石・竹・乱杭・四つ目垣 G、集いのスペース

 概要と感想

 左上写真Dは、完成した「和楽(からく)の庭」からの床が木のスロープ転落防止の柵であります。左上写真Dのスロープから中央上写真Eのブロックを敷き詰めたスロープと続きます。低くなった縁石の上には太目の孟宗竹を設置し車止めにしているのが分かると思います。
 「万葉の小径(まんようのこみち)」では、車いすやベビーカーの前輪止めとして、中央上写真Fのように縁石・太目の孟宗竹・乱杭(木)・四つ目垣(高さ35p)などがあります。右上写真Gは、泰山木(タイサンボク)周辺の様子であります。皆さんが集えるスペースになっているのが分かると思います。
 「万葉の小径」にあるの四つ目垣の結び方は、「からげ結び」となっているようです。

 左下写真Hは、モデルになってもらった尾畑先生が「木のトンネル」に入っている様子です。葉が生い茂ったトンネルになる3年後の完成が楽しみであります(^_^)
 中央下写真Iは、完成した体育館前の橋と転落防止の柵であります。中央下写真Jは、「植え枡」と高さ35pの「四つ目垣」と「看板看板の大きさ:一つの歌はB5サイズで外径はA4サイズ、 2枚(45p)、3枚(66p)、4枚(88p) × 高さ 110cm)」であります。右下写真Kは、ブロックなどを運ぶための「台車」であります。500sの積載が可能とのこと。
 「万葉の小径」の作庭で、移植の木やブロックを運ぶ作業が大変だったという生徒さん達の感想がありました。右下写真Kの「台車」は4台あるということですか、陽射しがきつい頃に移植の木やブロックを沢山積載して汗を流しながら運んだのだと想像しています。

 木々や花の名前について、庭園施工管理類型の生徒さん達の詠んだ歌のなかにあるアジサイ・朝顔・ユリ(オニユリ)・桜・女郎花(おみなへし)・モミジ・モクレン・ももよぐさ・山吹・忘れ草などであります。その他万葉集のなかで詠まれた花としてすみれ・つばき・ハマユウ・ヤブコウジ(やまたちばな)が「万葉の小径」に植えられています。
 その他にも「全国都市緑化フェア」で使われた植物や泰山木(タイサンボク)・シクラメン・ヒマワリなどが植えられています。(正確には、植栽予定の花も記述しております。) 

 この日は写真で分かりますように、花の植栽を除いては「万葉の小径(まんようのこみち)」の作業は終了しておりました。3年生の授業は1月末までなのですが、卒業式の3月1日の前日まで作業を継続し、上写真A・B・Cで分かりますように大変素晴らしい万葉の小径」ができあがっておりました。年度の授業が終了しても、生徒さん達が自主的に作業に出てきてくれたおかげで、こんなにも素晴らしい「万葉の小径」が完成しました\(^o^)/
 また一つ、この「バリアフリー庭園」を散策する楽しみが増えました。感謝
 「万葉の小径」では、造園デザイン科の生徒さんの短歌だけでなく国語の先生や校長先生の短歌もあります。

H、木のトンネル I、橋と柵と四つ目垣 J、看板・植え枡・四つ目垣 K、台車
尾畑先生撮影

 

平成22年 1月 22日 撮影

L、スロープの柵の支柱 M、孟宗竹の車止め N、植え枡と看板 O、全景

 下記は、設計と施工について、各代表の生徒さんが庭園施工管理類型の生徒さん達の意見をまとめてくれたものです。(1月22日現在) 

設計責任代表者(池平 桜、神田 ありさ)

1、下写真JJ(平面図)とKK(イラスト)は先輩のプランだということですが、プランの変更はありましたか。
 主に先輩たちのプランを参考にして作庭したが、樹木の変更として全国都市緑化フェアで使われた樹木を使い、「万葉の小径(まんようのこみち)」の真ん中にシンボルツリー泰山木(タイサンボク))を植えた。
 乱杭(木)の数を増やした。
 ベンチを設置する予定にしているが、まだできていない。 

2、ユニバーサルデザインの遊歩道と「万葉の小径(まんようのこみち)」の違いは何でしょうか。
 高齢者や障がいを持っている人や子供達が安全に楽しめる遊歩道にするだけでなく、万葉集で詠まれている花を植えることによって、花や木で心が和やかになるようにした。

3、バリアフリーUDをどのように意識してプランしましたか。「万葉の小径」にするために工夫したことは何か。 
 ただ通りやすいだけでなく木や花の位置見やすい看板を考えた。

 車いすが遊歩道から飛び出さないようにした。段差をなくするようにスロープをつくった。転落防止のためにをつくった。
 誰でもが丈の低い花を楽しめるように植え枡を置いた。が見え易いような看板を立てた。

施工責任代表者(木林 洋樹、岩井 一将)

1、UDの遊歩道にするために工夫した点は何か。

インターロッキングブロックについて
・「和楽(からく)の庭」からのスロープの長さと勾配について
 木のスロープの長さ : 4m 、  インターロッキングブロックのスロープの長さ : 8m 、  木の踊り場 : 2.3m
 勾配 : 1/12 〜 1/15
・木のスロープとブロックとの境目、橋とブロックとの境目 : 石と大粒の砂を入れた。(ブロックと石の固定のため)
 縁石とブロックの境目 : 小さく切断したブロックと大粒の砂を入れた。(ブロックと石の固定のため) 
・その他工夫した点(模様ほか) : 体育館の横に”2009 L 3”の数字とローマ字を入れた。3色のブロックを使って模様を考えた。 

車いすやベビーシートの前輪止め(材質と高さ)
 縁石の高さ : 8p前後 、 孟宗竹 : 12p〜15p  ※縁石が低いヶ所には、高さ35pの四つ目垣を作成して対応(3月5日撮影の写真参照)

2、スペースと植栽 

遊歩道の幅
・スロープの幅 (体育館側 200p 、 和楽の庭側 180p  )
・遊歩道の幅 (一番狭いヶ所 : 100cm (タイサンボク周辺の一部) ) 、 (一番広いヶ所 : 260p (タイサンボクの周り) )
・スロープ(和楽の庭側)を下ったところでの車いすの回転スペース (230p × 180p ) 
・泰山木(タイサンボク)辺りの集会スペース ( 直径650p ) 
・橋のサイズ ( 長さ290p × 幅200p )
・木々や花の名前と特徴
 万葉集で詠われた花を植栽:(庭園施工管理類型の生徒さんの短歌アジサイ・朝顔・ユリ(オニユリ)・桜・女郎花(おみなへし)・モミジ・モクレン・ももよぐさ・山吹・忘れ草) 

3、転落防止の柵について:立て子間の幅は10cm未満 、 高さ 110p 

4、丈の低い花のための植え枡のサイズと特徴について 

・材質(板石)、サイズ:幅40p×奥行40p×高さ45p)、(:幅30p×奥行30p×高さ40p)、(その他:幅25p×奥行40p×高さ40p) 
・工夫した点(丈の低い花を、手で触れたり香りを車いすに乗っていても楽しめるようにした。) 

5、看板の大きさ:一つの歌はB5サイズで外径はA4サイズ、  2枚(45p) × 高さ 110cm
※ B5サイズに一人一首の短歌とその思い(説明)があり、2枚というのは、万葉集で詠まれている短歌一首と生徒さんの短歌一首ということであります。

 概要と感想

 左上写真Lは、「和楽(からく)の庭」から「万葉の小径(まんようのこみち)」への入口で、写真のように角材で構成された木のスロープになっていますが、転落防止の柵はこれからのようです。中央上写真Mは、直径約15pの孟宗竹の車いすの前輪止めであります。中央上写真Nは、板石4枚を組み合わせた「植え枡(うえます)」と短歌を掲載した「看板」であります。竹をくりぬいた屋根は、和風のデザインで短歌への気遣いとしてとても好感がもてます。右上写真Oは、スロープ側から眺めた「万葉の小径(まんようのこみち)」の全景であります。

 左下写真Pは、泰山木(タイサンボク)周辺で、右側の通路幅は100pですが左側の通路幅は260pということで、車いすと車いすがすれ違ったり集いのスペースとして利用できると思います。中央下写真Qは、体育館側から「万葉の小径(まんようのこみち)」の全景を写したものです。中央下写真Rは、木々で構成されたトンネルで、小さな子供さんが通りぬけられるようになっていました。葉っぱが覆ってよりトンネルらしくなるには3年ぐらいかかるらしい。
 右下写真Sは、体育館前にある橋で、をこれからつくろうとしています。そして写真の奥でブロックを敷く作業を生徒さん達がしていますが、ここら辺りは乗用車に対応したより厚みがあるブロックを使用しているとのことです。ここのヶ所で生徒さん達が在籍した年とクラスの”2009 L 3”の数字とローマ字を見ることができます。

 だんだんとたんなる遊歩道ではなく「万葉の小径(まんようのこみち)」らしくなってきました。
 この日、生徒さんのオリジナルの短歌やその思いや作庭においての感想を書いた用紙を受け取りました。短歌には「友人との出会いや別れ」「好きな人への思い」「子供へのまなざし」「その花への思い」など、生徒さん達の思いが詠われておりました。あまりにも純粋な直球を投げつけられたようで、こちらの胸がドキドキしてしまいます。
 「万葉の小径」で、生徒さん達の短歌が紹介されていますので、ぜひともバリアフリー庭園を散策しながら花と短歌を楽しんでいただきたいと思っております。

P、泰山木周辺 Q、全景 R、木のトンネル S、体育館側の橋

平成21年 10月 30日 撮影 

T、全景と泰山木周辺 U、縁石の外にある植え枡 V、スロープ予定地 W、橋

 概要と感想

 左上写真Tは、途中経過の「万葉の小径(まんようのこみち)」の全景でありますが、これからインターロッキングブロックを敷き詰めて行かなければいけません。中央に「泰山木(タイサンボク)」を配置し、遊歩道の幅が縁石によって分かりやすくなってきました。曲がり角は乱杭(木)を打ち込んで車いすの前輪止めにするようです。
 中央上写真Uは、丈の低い花が高齢者や車いす利用者や子どもさんに見やすいように、「植え枡(石板4枚で構成されています)」がありました。写真で分かりますように縁石の外側に植え枡が位置しています。
 中央上写真Vは、「和楽(からく)の庭」からスロープにするためにとして石を置いているところです。この石は旧六校(現在朝日高校)時代の石を譲り受けたもので、現在では歴史的に希少な御影石ということです。
 右上写真Wは、体育館側から撮影したであります。遊歩道と橋との現時点での段差が分かると思います。

 左下写真Xは、中央上写真Uの「植え枡」と車いすとの距離を測りながら走行しているところです。縁石があることによって植え枡に植える丈の低い花に接近することができないことを体験したようです。
 中央下写真Yは、右半身麻痺と仮定して車いすを動かす難しさを体験している生徒さんです。前もって脳血管障害の特徴を説明しておきましたら、自主的に生徒さんが実演されていました。

 中央下写真Zは、遊歩道で車いすと車いすがすれ違えるかどうか確認しているところです。右下写真AAは、澁谷先生(左)と尾畑先生(右)が「万葉の小径」について、これからの予定を話し合っているところです。

 「植え枡」の設置や生徒さん達の積極的な車いす利用の体験によって、高齢者や障がいを持っている人にも花を楽しんでもらえる「遊歩道」になるのではないかと期待が持てるようになってきました。

 しかしながら、バリアフリー庭園の一画として高齢者や障がい者や子どもさんなどが楽しめる「万葉の小径(まんようのこみち)」と呼ばれるまでには至っていないように感じました。

X、車いす利用者と介助者 Y、右半身麻痺を擬似体験中 Z、車いす同士の交差 AA、尾畑先生と澁谷先生

 

平成21年 9月 25日 撮影 

BB、縁石 CC、橋作成中 DD、田中先生 EE、太田先生

 概要と感想

 左上写真BBは、白線にそってやり方杭(目印の木)を打ち、縁石を並べていっているところです。中央上写真CCのように溝にが架かっておりましたが、角材を組んで固定させるために生徒さんがドリルで穴を空けているところです。
 中央上写真DDは、橋の床と地面とに段差がありますが、ブロックで高さを合わせていきますと、田中先生が説明してくれているところです。
 右上写真EEは、太田先生が植栽の準備をしているところです。

 

平成21年 6月 12日 撮影

FF、入口? GG、白線で通路 HH、尾畑先生と生徒さん II、体育館の前の溝
澁谷先生撮影 澁谷先生撮影

 概要と感想

 今年度は、下記の平面図とイラストで分かりますように「和楽(からく)の庭」と「見本庭園」そして「造園実習室」の北側を整備して、ちょうど体育館の前辺りまで遊歩道をつくりたいと右下JJの平面図と左下KKのイラストを頂きました。テーマは「万葉の小径(まんようのこみち)」ということです。
 さて、「万葉の小径」とはいったいどういうものでしょうか。下記のイラストで遊歩道の脇に木が植栽されているのは分かりますが、私にはまだ遊歩道と「万葉の小径」との違いが何なのか分かっていませんでした。

 本日、訪問した時は「圃場」の木が移動され、中央上写真GGのように白線が引かれてありました。この白線に沿って道をつくって行くということらしい。左上写真FFは、西側の舗装された道路から今年度作庭予定の「万葉の小径」に入るために、車いすで移動し易いようにベニヤを敷いてくれているところです。しかしながら、今年度はここを出入り口とする予定はないようです。車いす利用者の私が一時的に奥に移動できるように配慮してくれたのです。

 中央上写真HHは、尾畑先生が生徒さん達にこれからの施工の予定を説明しているところであります。
 右上写真IIは、体育館前辺りの溝であります。当然のことながら現在は車いすで行き来できません。ここに橋をつくる予定のようです。

 沢山ありました木々を移動して遊歩道としてのラインは見えて来ましたが、本日まだまだ「万葉の小径」がどのようなものか分からず、正直なところ「万葉の小径」と呼ぶにふさわしいものになるかどうか半信半疑でありました。

JJ、平面図 KK、イラスト

 

平成21年 3月 25日 撮影 

LL、圃場 MM、溝 NN、体育館の前の入口

 概要と感想

  平成21年度は、左上写真LLの「和楽(からく)の庭」と「見本庭園」の北側にあります「圃場(ほじょう)」と呼ばれている木の生育場を整備したいということです。左上写真LLで分かるように、現在は木がいっぱいありまして車いすで入って行くことはできません。
 中央上写真MMの溝には橋を架けたいとのこと。「圃場」を整備し、右上写真NNの体育館(写真の左側の建物)の入口辺りまで遊歩道をつくる予定のようです。
 左上写真LLで分かりますように、ここには沢山の木が植えられていいますので、まずそれらを他の場所へ移植するところから始めなければならなりません。 

 自分達がつくりたいものの「かたち」がまったく見えていないこの時期(4月・5月)を乗り越えなければ遊歩道としてのかたちも見えて来ません。しかしながら、こういう時期を少しでも体験した生徒さん達は、社会に出てもきっと我慢強く仕事に取り組んでくれると思っております。

 

平成22年 3月 上旬現在

 

平成15年度「四季を彩る庭」  / 平成16年度「流れのある庭」 / 平成17年度の「バリアフリー展望台「友集の丘(ゆうしゅうのおか)」

平成18年度「和楽(からく)の庭」 / 平成19年度「見本庭園のバリアフリー化」 / 平成20年度「干拓地の生き物を知る

平成21年度「万葉の小径(まんようのこみち)」 / 平成22年度「まくあいのこかげ」 / 平成23年度「50周年記念庭園のバリアフリー化

平成24年度「50周年記念庭園のバリアフリー化パート2」 / 平成25年度「LINK〜時を刻む〜」 / 平成26年度「香楽園(こうらくえん)」 

平成27年度「鳥達の集う滝」「クジラの庭のスロープ」 / 平成28年度「記念庭園のバリアフリー化」  / 平成29年度「記念庭園のバリアフリー化」のパート2

平成30年度「記念庭園のバリアフリー化パート3」 / 令和元年度「記念庭園のバリアフリー化パート4」と記念碑周りの整備 

日本における住環境の現状 / 福祉住環境コーディネーター / 住環境の整備について

介護保険制度と住生活との関係 / 町角のバリアフリーの意識 / 住環境についての質問コーナー