パリの事情

  旅立つ約1ケ月ほど前のテレビのニュースで、信号待ちで(渋滞で)停車していた車の運転席のドアを開けて、女性ドライバーのバッグを無理矢理引っ手繰る映像を見ました。オイオイ、ほんまかいなぁ、パリは物騒な所なんやな、と内心怖くなりました。危機管理というか、危機に対する準備はしておいた方良いと深く感じました。
 さて、パリのオペラ座通り周辺には日本の企業が多く、パリのリトル東京と言われているぐらい日本人が割と多い場所であります。ですから、和食やラーメンを出してくれるレストランも他の地区よりも多いと思います。初めてパリを訪れる日本人にとっては心強い感じもするのですが、逆に日本人を歩く金庫ぐらいにしか思っていない彼らにとっては獲物を探すのが容易な場所であるとも言えます。日本人がブランド物の紙袋を持って歩いている姿を見て、パリ在住のガイドさんは本当に危険な行動であると心配して話してくれました。パリでは危機意識を常に持っていなければならないのです。
 実際にsenninも、ホテルのロビーで日本人に偶然出会ったのですが、その男性のお話では昨日の正午前にメトロで3人の男達にホールドされ持っていたすべての物を奪われてしまったと嘆いておりました。その男性はビジネスマンでしたが、パリにいる日本人はどなたでも被害に遭遇する可能性があるようです。昼間・夜時間は関係ないようです。自分(達)の周りに一瞬でも人がいなくなったら危ないと思っていたほうが良いでしょう。
 本当に、パリでは危機意識を常に持っていなければならないようです。

◎服装
 さて、パリ到着の翌日から街を散歩するのですが、晴れのち曇りそして雨また晴れといきなり7月のパリの気まぐれな天候の洗礼を受けてしまいました。変わりやすいとは聞いておりましたがこれほど気まぐれとは思いませんでした。そして雨が降ると急に寒くなってくるのです。ですからパリでの服装は、肩を露出したノースリーブやTシャツを着た人からコートを着た人までいるのですから、ほんとにご自分の体調に合わせて様々な出立ちなのであります。7月のパリでは長(半)袖シャツ(senninは下着を着ていました)にブレザー(上着)というのが一番無難な服装ではないかと感じました。

◎カメラ
 美術館内でフラッシュ撮影は禁止というのは言うまでもないのですが、オルセー美術館の身障者トイレの写真を撮っておりましたらフラッシュが光り、そこへちょうど職員が通り掛り怒鳴られてしまいました。写真はこのトイレだけだ、と言ったのですが、ここまで厳重に怒るのかいと思ったりしました。美術館内だけでなく、海外ではカメラを向ける時は気をつけたほうがいいかもしれません。

◎情報収集と曜日とオプショナルツアー
 パリでは(i)マークが観光案内所となっており、凱旋門の近くでシャンゼリゼ通りやノートルダム寺院の前そしてホテルにあることもあります。できれば、ホテル内に観光案内所があるホテルをお薦めします。なぜなら、senninはパリの(i)で日本語の車椅子対応のガイドブックを手に入れることができなかったからです。
 パリでは美術館の休館日やヴェルサイユ宮殿の休日そして各マルシェ(市場)・モンパルナスの青空市(油画)・切手市など、開いている曜日が決っているので計画を立てる時に気を付けましょう。
 車椅子利用者は、団体で行動するようなオプショナルツアーには対応することができませんと丁寧に断られます。団体のオプショナルツアーでは自分自身でバスの乗降ができ団体行動に支障がない人が対象のようです。例えば、ヴェルサイユ宮殿の場合、バスの乗降する場所から宮殿まで距離があり、日本製の手動用車椅子ではキャスターを上げてウイリー走行しなければ難しい。経験のないガイドさんでは無理ですし、こちらで介助者がいても時間に追われたツアーでは対応できないだろうと大手のツアー会社は思っているらしい。
 しかしながら、車椅子利用者に対応しているツアー会社もありましたので希望を持っていただきたい。

◎お店・水
 パリの街中では日本でいう24時間営業のコンビニを見ませんでしたし、生鮮食品や日用雑貨品などを売っている大型のスーパーもほとんど見ることはありませんでした。果物屋などの個人商店をたまに見かけるぐらいでした。マクドナルドは「レ・アル」や「パッシー」辺りで見かけました。
 また、sennin達は身体を気遣って水はミネラルウォーターを飲んだのですが、ミネラルウォーターには炭酸入り(ガズーズ)と無炭酸(ノン・ガズーズ)の二種類があります。日本では無炭酸のエイヴィアン(Evian)が有名ですが、パリでもエイヴィアンやヴィッテル(Vittel)を多く見かけました。senninは無炭酸のミネラルウォーターが飲みやすかった。パリでは常時ミネラルウォーターを確保しておいたほうが安心なので、手に入れられる時に買っておきましょう。
 カフェテラスでは座れるスペースがあるかどうか容易に目で確認でき問題はないと思います。但し、店のなかの席の周りのスペースは一般的に狭いと感じました。大柄な体格のいい男性が狭い通路を通りぬけうまく席に付くものだと感心したりします。車椅子利用者だって店のなかで席を見つけられると思いますが、senninの「車椅子操作の仕方」を充分に介助者がマスターしておいたほうが良いでしょう。 

◎セーヌ川沿いの露天商
 7月上旬のパリは、日の出が午前5時50分頃で日没が午後9時55分頃ですので、下写真の露天商の開く時間は遅く昼前ぐらいと思っておいたほうがいいでしょう。まあ、ルーブル美術館やその他の美術館で絵画を鑑賞した後にここの絵を見るとそれなりだなと思うのですが、絵葉書を買うようにパリでの思い出として購入するのには良いのではないでしょうか。  

セーヌ川沿いの露天商 

平成14年7月上旬 現在

 

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